認知症高齢者のリスク管理
冬の寒さが厳しい時期、暖房器具は欠かせませんが、高齢者の場合は「低温やけど」に対する特別な警戒が必要です。低温やけどは、心地よいと感じる40℃から50℃程度の温度であっても、長時間同じ部位に熱が加わることで皮膚の深部まで損傷が及ぶ現象です。知覚麻痺がある方や糖尿病などの持病で血流が悪い方は、痛みを感じにくいため重症化しやすいのが特徴です。
湯たんぽや貼るタイプのカイロは、手軽で便利な反面、最も低温やけどを起こしやすい器具です。湯たんぽを使用する場合は、必ず厚手のカバーで包んだ上で、布団が温まったら就寝前に取り出すようにしましょう。また、カイロを肌に直接貼ることは厳禁であり、衣類の上からであっても同じ場所に長時間当たらないよう配置を考慮します。介助者は、利用者がどこに暖房器具を当てているかを常に把握しておく必要があります。
暖房器具との距離を適切に保つことも重要です。電気ストーブやファンヒーターを使用する際は、足元から十分な距離を確保し、長時間近距離で温まり続けないよう指導や見守りを行います。車椅子に座ったまま動かない状態が続くと、特定の部位だけが加熱されやすくなるため、定期的に姿勢を変えたり、皮膚の状態を確認したりすることが求められます。
特に皮膚の観察は、低温やけどを早期発見するための唯一の手段です。着替えや排泄介助の際に、足の甲やすね、かかとなどに発赤や水膨れができていないか細かくチェックしてください。低温やけどは表面の見た目以上に深部が損傷していることが多いため、異常を見つけた場合は自己判断せず、速やかに医療職へ報告し適切な処置を受ける体制を整えておくことが大切です。